お久しぶりです。お元気ですか。私は元気です。

久しぶり。この感覚は久しぶりです。

今は昼の12時56分。場所はシンガポールのオーチャード。

パソコンを持って出かけたの、久しぶり。

パソコンで文章を書くの、久しぶり。

(いつもはiPhoneで書いている)

久しぶりって嬉しい。

足もとを見れば、日本と同じ色の鳩がいて、恵比寿ガーデンプレイスにでもいるような感覚になるけれど、

左はじに飛び込んでくる、黄色いくちばしのオオハッカに呼び戻される。

シンガポールに来て、そろそろ一年。

海外で生活するということを単純にやってみたかったから、その夢は叶ったことになる。

この一年は、突風の中、必死で葉っぱにつかまる虫のように、何も考えられなかった。

それはそれでよかった。考えない生活、というのも、またよかった。

考えすぎるとろくなことはない。

でもそろそろ、頭の中から文字があふれてくる。

どうでもよいような文字を見て、なんだかとても愛おしくなったりする。

シンガポーリアンの70%が中国系なので、町中が漢字だらけ、特に我が家近辺は、思いっきりローカルなエリアなので、小中国なのだけれど、八、という漢字にとても惹かれる。

この前髪をかきわけたような漢字がたまらなく愛おしい。

それから好きなのは、ひらがなの”か”という文字。

この”か”の一番長い縦線と、右側の肩にのる短い線の角度で、全体の雰囲気が全然変わるので本当に面白い。

ああ、ほんとどうでもいいようなことを書いている。

そしてそう、確かに私はこういうことがしたかったんだ。

お久しぶりです。お元気ですか。私は元気です。